“お腹の調子が最近悪いな”――と腹部の不快感をともなって下痢や便秘を繰り返しておられる方は、IBS(過敏性腸症候群)かもしれません。
IBSを簡単に説明すると、腸は元気なはずなのに、お腹の不快感や便の異常が続く病気のことです。
少し詳しく、IBSってなに?
Irritable Bowel Syndromeの頭文字です。
正式名称は『過敏性腸症候群』といいます。
他に下痢や便秘症状・残便感などを伴う場合もあります。
IBSになる明確な原因はわかっていませんが、発症にはストレスが関係しているといわれています。
ストレスの多い現代に増えていて、日本人の10人くらいに1人がこのIBSにあてはまるといわれているそうです。
誰しもなる可能性がある疾患です。
10代から30代に比較的多くみられ、年齢とともに減ってくる傾向にあります。
お腹の痛みや不快感の症状とともに排便の回数や、便の状態が変化する。
排便をしたら、症状が緩和する。
このような症状を繰り返しているようでしたら、医療機関を受診することをおすすめします。
症状がひどいと、生活の質が低下してしまいます。
- トイレでの滞在時間が増えて、他のことをする時間が減る。
- 不快感や不安によって勉強や仕事・趣味などにも集中できない。
- トイレのことが気になり、外出時不安になる。
IBSの治療法
医師の適切な診断と治療を受けることが必要です。
食事療法
下痢をくり返す時
香辛料や脂っこい食べ物や冷たいものを避けたりします。
乳製品・アルコールも原因になる場合があるので控えます。
便秘をくり返す時
香辛料などの刺激物は避けます。
水分や食物繊維を多く摂取する食生活を心がけます。
運動療法
適度な運動は腸の動きを整える助けになります。
気分転換になり、ストレス解消になります。
薬物療法
食事療法や運動療法で改善しない場合は、治療薬を用います。
症状に合わせた薬を医師が処方してくれます。
体験談(私の場合)
症状
トイレに入り、通常の健康なお通じの後に、コロコロ小さいものが出たり、下痢症状をともなったりしました。
残便感が強くあり、トイレを出ようと立ち上がった時に、座りなおすこともありました。トイレを出た5分後にもう一度トイレに行くこともありました。
お通じの回数が増えることで肛門への負担が増しました。時折出血することがあり、便と一緒に血が混ざり、重大な病気だったらどうしようかと不安にもなりました。
医療機関を受診
数か月以上症状が続いていることを説明しました。
また、出血があり、(鮮血なので肛門からのものだと思うが)不安なことを伝えました。
私の希望もあり、大腸内視鏡検査(カメラを入れて大腸を見ること)をしました。
結果
「大腸は綺麗で異常がないですね」と言われて、IBSと診断されました。
まずは14日間服薬をして改善が見られたため、その後30日分処方してもらいました。
IBSが治り、トイレにおいて不安な生活解消しました。
医師に相談しましょう
IBS(過敏性腸症候群)では、脳から腸に向かう信号と腸から脳に向かう信号の両方が強くなっています。
脳がストレスや不安を感じると脳から腸への信号が強くなり腸が異常運動をしてしまいます。
また、IBSでは腸が知覚過敏の状態になっており、通常(健康な人)よりも弱い刺激で腹痛や不快感が発生してしまいます。
それが脳に伝わり、またストレスになってしまうという悪循環が起こってしまいます。
慢性的な症状があり“IBSかもしれない”と思われた場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
毎日の生活のことなので、症状が治ると心が軽くなります。